2009年10月13日

自分で選んできたと思っていたものが

自分で選んできたと思っていたものが
実は何かによって選ばされていたのだと気づいたとき

ようやく自由意志が生まれる。

逃げるように、避けるように選んできた道は
脈絡なく漂ういびつな航跡。

目指すものに向かう動力を感じたとき
同時に私を押し潰そうとするものが現れる。

自由意志と共にやってくる、それはきっと心細さだろう。
自分の非力さだろう。

だけどきっと、その先の航跡は光るだろう。
不安げに踏み出した私の一歩を、きっと私は愛するだろう。
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2009年08月12日

演るほうが楽しいんだって。

演るほうが楽しいんだって。

そうね、音を楽しんで聴かせて。
操って奏でて、流れ流れて笑って。

でも、無理だと思った、私には。
思い通りにいかない音は、私をまるで
まるで笑っているかのよう。

享受も幸せなのよと、こっそりと。
流れくる楽しみを受け止めるのも
至福なのよと、笑って。

右手に合わせて右足も。
こっそり笑って、それが合図になればいい。
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2009年08月03日

今、必要なものと

今、必要なものと
今、不必要なものが
瞬間的に識別されてゆく

削ぎ落として削ぎ落としてゆくと
研ぎ澄まされる感覚

そうして、その先でも残るものは、なに?
私にとって、何を失くしても手にしたいものはなに?
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2009年07月28日

蝉時雨のアーチをくぐって

蝉時雨のアーチをくぐって
彼方と此方が近くなる季節

目が開けられないほどのまぶしい陽光も
強制的に思考を停止させるような暑さも

かみさまの慈悲なのかもしれない
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2009年07月10日

私たちは呼吸を止めようとしているのかもしれない。

私たちは呼吸を止めようとしているのかもしれない。

吸うためには、吐かなきゃならない。
吐くためには、吸わなきゃらならない。

私たちは、吐くことを恐れているのかもしれない。
まるで自分を失うことのように感じられて。

私たちは、吸うことを恐れているのかもしれない。
まるで侵入されることのように感じられて。

私たちは、自分を守ろうと必死になって
呼吸をすることを恐れているのかもしれない。

誰とも本当の意味では交わらないまま
失うことも侵入されることも拒んだ牙城で
息を押し殺して、死につつあるのかもしれない。
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2009年05月29日

私たちが手に入れられなかった何かを手に入れてる。

私たちが手に入れられなかった何かを手に入れてる。

広くて深くて青くて澄んでいるもの。
遠くて不可視で寂しくて焦がれるもの。

自由で鮮やかで暖かくて心地よいもの。
捕まえられなくて自分のものにできなくて寂しくて寂しくて私の息を止めるもの。

美しくて見惚れるもの。
私の目を惹きつけて離さないもの。

私たちが手放した何かを手に入れてる。
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2009年05月15日

こんなに寂しくて心細い世界に

こんなに寂しくて心細い世界に
私たちは肩を寄せ合って生きている。

不当に扱われては怒り
失っては悲しみ
すれ違っては嫉妬し
私たちは感情をぶつけ合って生きている。

そして、感情を隠して生きている。

背中越しに言われた言葉を
聞き返すまでのためらいとか。

納得なんてしてないのに
黙って頷くときの掌とか。

わかりもしない気持ちを
探るときの視線とか。

それでも、こんなにどうしようもない世界を
生きているあなたに訪れるものが
あなたに幸せをもたらしますよう。
あなたに光を授けますよう。

そうして穏やかな最期になりますように。
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2009年04月04日

私は私にしかなれない。

私は私にしかなれない。

私は私のコアによって形づくられて
ばらばらだったものがまとまり
ひとつの形状になり、個体となり、思索を始めた。

私は私のために、私以外のものを摂取し排出し、
私は拡大し、歩行を始めた。

私は他の一切になることを諦めて唯一、私になることを選び
そうして私は時間を得て、形を得て、言葉を得た。

私は、まとまろうとする力と、ばらばらになろうとする力の
どちらをも感じることができる。

始まろうとする力と、終わろうとする力と、
出会おうとする力と、別れようとする力と、
近づこうとする力と、遠ざかろうとする力と、
生きようとする力と、死のうとする力と。

私は私に、なることができる。
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2009年03月15日

あの色を見て決めたことがあって。

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あの色を見て決めたことがあって。
海は何も言わなかったけど。
私が、そうだと、あの光を見て思ったのだから。


それでも私は我侭で。
あのとき信じたものが
今、現実となってここにあって
私はあまりにも、ちっぽけでちからなく
うなだれるしかなくて。

それでもあの海は、きっと今も、輝いているのだろう。
誰かを励ましているのだろう、勇気付けているのだろう。
あのときの私の背を押したように。
今も波は、打ち寄せているのだろう、なめらかな美しさで。

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2009年02月28日

光った気がして目を開けたら

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光った気がして目を開けたら真っ暗闇だった。

もう一度目を閉じて見えたものは兎だった。
すぐにぼやけて消えて、私は取り残された気分だった。

呼ばれた気がして見上げたら、青空がただ広がっていた。

もう一度うつむいて感じたのはあたたかさだった。
すぐにぼやけて消えて、私は。

私は、舟を漕いでいた。青空を抜けて、少し馬鹿げていた。
自分の力で漕いできたと思っていたけれど
ずいぶん風が吹いていたんだ。それは素敵な風だった。

1人ではたどり着けない場所へ。
1人では見られなかった景色へ。

1人では感じられなかった温度を、運んでくれた風に
ありがとうとつぶやいて、すぐにぼやけて消えて、私は。
posted by ホワイトビア at 14:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする